胴上げを見る可能性があったが私はドームに行くことを選んだ。結果がどうなってもそれは甘んじて受け止めたい。悔しさを味わうなら選手と一緒だ。そして今年最後のホームゲーム。終わりまで見届けたいという思いもあった。
着いた頃には異様な雰囲気だった事は理解できた。普段は巨人ファンがちらほらみられる三塁側は完全に中日ファン。ドームであれだけ多くの中日ファンが来場したのは見た事が無い。それは歓声にも言える事で阪神や千葉の声援以上に大きなものを感じた。これが大一番の雰囲気なのだろう。
四回、建銘が先頭の井端を歩かせ福留にヒットを打たれた後、タイロン・ウッズにライトの長嶋さん看板直撃ホームランを浴びてしまう。被本塁打1の投手がまさかこの場面で打たれるとは。先頭の四球は反省すべきだがウッズの集中力が見事だった。
投手は川上で通常ならこの時点で半ば諦めモードであるが、二岡がホームランを放った事により、まだわからないという空気は感じさせた。
そして七回、由伸がライトへソロホーマーを放ち一点差。さらに続く小久保がレフトへ同点のホームランを放った。リリーフが踏ん張り岩瀬以外の投手とぶつかったら勝てる可能性もあると感じさせた。
建銘は福留の前にランナーを出した時点で交代。林が福留と森野を抑えてピンチを乗り切った。八回途中から九回途中までを林、そこから十回までを豊田が抑えた。
十一回、尚成が福留とウッズに連打を浴びてノーアウト一塁二塁。森野は当然送りバントだがこれがフライとなった。代打奈良原と英智を抑えピンチを逃れた。四番五番に廻る十一回に岩瀬が出てきた。ここを抑えれば大丈夫と踏んだのだろう。仮に次の回勝ち越せなかったら引き分けも負けも同じ。勝ち越したらそのまま岩瀬という考えだったのだろう。抑えられた。
十二回、先頭の谷繁に打たれた後岩瀬を三振にしとめた。ここで一人でも出すと福留を迎えてしまう。しかし尚成は荒木と井端に連打されワンアウト満塁。絶対抑えなければならない場面だったが福留にセンター前タイムリーを打たれてしまった。中日ファンのボルテージは最高潮。そして次の男は神懸かっていた。ウッズに満塁アーチが飛び出て試合は決まった。その後酒井が奈良原にもタイムリーを浴びて六点差。最後は岩瀬にしめられてゲームセット。中日の胴上げを目の当たりにする事となった。
結果は惨敗ではあったが、十一回までは今シーズン最高の試合と言ってよいだろう。これだけの試合を146回繰り返すのは難しい事だろうがこれくらいの試合が多く出来ればもっとプロ野球は盛り上がる事だろう。試合を分けたのはウッズがピークだった事と、ウチには岩瀬がいなかった、という点だ。尚成を責める気はないし彼にいきなり岩瀬の仕事をしろというのも無理がある。あと一枚信頼できる中継ぎが居ればまた結果は違ったかもしれないがそれがチーム力の差なのだろう。中日は優勝に値する素晴らしいチームだと思う。その結果に対してはおめでとうと言いたい。
ドームが中日ファンの歓喜で一杯になってしまった屈辱は絶対に忘れてはいけない。この光景を前にしても涙は出なかった。来年こそは自分達がドームで喜びたい。その時まで涙は取っておこう。
と書いたがまだまだシーズンは終わっていない。チケットはまだ残っているので今シーズン最後の試合を見届けようじゃないの。一年間戦ってきたんだから最後もね。
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