Vへの使者
戦力外通告を受けた男は、新しいチームで三連覇と日本一に大きく貢献する漢となった。代打という役割上、与えられた機会は少なかったが、それでも十分に記憶に残る働きが出来ていたと思う。
先ず思い出すのは2007年のビジターソフトバンク戦。豊田さんがノーアウト満塁のピンチから三者連続三振で切り抜けた直後、代打で登場してツーベースを放った。このチャンスメークから決勝点が生まれた。ここから巨人での活躍が始まったと言って良いだろう。翌年は村中にあわやノーヒットノーランされそうになった試合で、九回ツーアウト一塁二塁から右中間をゴロで完璧に破る二点タイムリーを放った。あの一打は今でも目に焼きついている。
そして、引退会見でも触れていた二打席。ソフトバンク戦九回ツーアウトフルカウントという後がない状況から放ったアーチ。レフト巨人から見ていたが当たった瞬間にアーチを確信しすぐに後ろのファンと喜びを分かち合ったことを覚えている(ちなみにその場面は優勝DVDでもちゃっかり写っている。)そして去年の日本シリーズ。林の悪送球がなければ前進守備になっていなかったのでああいう結果にはならなかったかもしれないが、そこを突けたのは彼の執念だったのだろう。粘りに粘ってセカンド頭上を破った時は大いに喜んだ。そしてその時に見せた漢の姿も忘れない。四度ベンチに向かってガッツポーズを見せて最後はベース上で拳を下から突き上げるガッツポーズ。このタイムリーがなければジャイアンツの日本一は無かった。そして大道さんにとってももう一年現役生活を伸ばした一打となった。
今年は結果が出ていなかったがそれに対して自分が納得していたことを考えると、やはり今年で限界だったのだろうと思う。だからこそ本人も納得した上で決意したのだろう。南海ホークスのユニフォームに袖を通した最後の現役戦士だった大道さん。長い間本当にお疲れ様でした。そして数多の思い出を有難うございます。
ぶちかませ大道 気合と気迫の一撃
ぶちかませ大道 バット一振り根性
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