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2012年11月 8日 (木)

日本シリーズ2012 総括

<大きすぎた離脱>
 田中賢介が元気に出ていたら、もっと苦しい展開になったのみならず違う結果になっていたことも考えられる。選球眼の良い彼はリードオフに適している。出塁すれば次の打者が送って、糸井嘉男に得点圏で勝負させることが出来た。代わりに一番に入った陽岱鋼だが、フリースインガーである彼はリードオフタイプではない。多少のボール球も振ってくれるので投手はボール球で勝負出来た。実際に巨人は陽にほとんど仕事をさせなかった。先頭を出さなかったことで投手が糸井との勝負に専念出来たのだ。

<勝つには研究すること>
 第六戦終了後に稲葉篤紀は「相手がしっかり研究している」と語った。敢闘賞に輝いた彼でもそのコメントを残すということは、苦しんでいたことが伺える。実際彼より上位を任されていた選手はほとんど仕事が出来なかった。前述の陽を完全に抑えたことで、糸井・中田翔との勝負に専念出来て彼らにも仕事をさせなかった。それはスコアラー並びにバッテリーの勝利と言って良い。

<長野と坂本>
 前日のコメント返信にて、MVPは内海哲也、ジョン・ボウカー、澤村拓一のいずれかだろうと答えていた。当初はその三人が候補と思っていたが、六戦目の八回に彼らを追い抜くかもしれない存在に気付かされた。決勝点のホームを踏み、二度にわたって失点を防いだ長野久義が選ばれるかもしれない、と思えてきた。3点目のアーチ、二戦目の決勝点となる先頭打者アーチにセンターゴロ、と大活躍を見せてきた。MVPに選ばれたのは二勝した内海だったが、長野が優秀選手に選ばれたことはとても嬉しかった。
 そして坂本の名を挙げたが、彼もまたこのシリーズで成長を感じさせた。打のみならず守りでも大きな存在となった。このシリーズ最後の打球は緩いショートゴロでかつ打者は瞬足の糸井とアウトにするには難しい状況だった。しかし彼は素早いスローイングで刺すことに成功した。ボウカーのリーチもあったのだろうが、あのスローイングがあったからアウトに出来たのだ。
 シーズン同様に日本シリーズで活躍出来たことで、彼らがチームの中心になってきたなと思えてきた。

<監督の選択>
 三戦目の亀井義行起用、四戦目の小笠原道大起用に強く不満を抱いた。実際その試合は落とすこととなった。が、その次の試合で彼らと、前日にお粗末なエラーをした藤村大介をベンチからも外した。そして五戦目は大勝となった。最初から使わないことが確かにベストだったのだろう。しかし失敗してしまうのもまた人間。見切ったことを評価しよう。と、勝てたから水に流せるのかもしれない。
 一戦目の先発はCSで素晴らしいピッチングを見せた澤村だと思っていた。蓋を開けてみたら先発は内海だった。これが当たり内海は吉川光夫に二度とも投げ勝つことが出来た。そして一戦目に左の吉川が相手ながらもボウカーを抜擢した。最初の打席は最悪の併殺打に倒れたが、次の打席で試合を優位にすすめる3ランを放った。その五日後に同じ吉川から先制ツーランを放ちチームの雰囲気を一変させた。そして勝負強さを買われてスタメンに入った矢野謙次の活躍も忘れてはなるまい。彼が繋いだことでボウカーのアーチは生まれたし、六戦目は大きな先制タイムリーも放っている。いい流れを作ってくれた。これらの起用が当たったことも勝負を分けた一因だ。

<めぐり合わせ>
 三戦目と四戦目で疑問を抱くスタメンを組んでいなかったら、札幌で胴上げということも考えられた。結果的にはその二戦どちらも取れなかったことで本拠地で胴上げを見ることとなった。シーズンもそうだった。負けなしだった東京ドームの阪神戦で村田修一が大ブレーキとなり0-2で敗れてしまった。もしこの試合を取れていれば、ナゴヤドームで胴上げしていたことも考えられた。いずれも褒めるべきことではないが、いいめぐり合わせだったとしか言いようがない。それが2012年か。

他の人はどう見るかわからないが、私にとっては楽しめて満足出来る日本シリーズだった。皆が中心を向いていた胴上げ、これが今年のチームをよく表している。美しい結末だった。

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コメント

お早う御座います
此れ程濃密な総括記事を拝読すると我々が、コメントする余地が有りませんが?私なりに感じた事を(記事に重複をすると思いますが)少々書かせて頂きます。

このシリーズのポイントの一つ思いますが、仰るとうりエース対決の2試合……「内海VS吉川」の出来不出来が大きく左右された試合だったと思います。2試合ともリーグ防御率1点台の吉川に投げ勝つとは、接戦で無く完全KOで、勝つと予想された方は何方もいなかったのではないでしょうね。緊張の初戦及び、対にされた5戦目に大勝
文字どうりMVPの働きの内海・野手陣の打力…特にボウカーの2本のアーチは、来季に繋がるかも?しれ無い活躍を挙げ無い分けにはいか無いですね。

此れも記事に有りますが、長野の一番打者としての活躍は武田勝からの2本のHRを含め、CS(シリーズには関係無いですが)〜12試合連続安は、MVP級の働きで大きかったと思います。

其れと仰るとうり田中賢が……出場していれば?我が方で言えば杉内がリーグ前半戦の調子で投げられていれば?(何れも「タラレバ」ですが)大きく展開も変わっていたでしょうね。

何れにしても慎之助の怪我や杉内の不出場のチーム状況に於いての「日本一」この功績に賞賛したいと思います。

投稿: 水戸のノブチン | 2012年11月 8日 (木) 09時14分

後出しの御礼で、御免なさい
私の個人的なコメントにご返信頂き誠に、有り難うございました。御礼が遅くなり失礼しました。

今後共宜しく御願い申し上げます

投稿: 水戸のノブチン | 2012年11月 8日 (木) 14時06分

確かに田中賢介が1番にいたらと思うとゾッとします。

田中が出塁、バント、糸井のタイムリー。

巨人がやっている事をやられた可能性がありました。

内海は一戦目を取り、連敗を止めて巨人の若き投手陣を引っ張ってくれました。


澤村や宮國は、内海に刺激されて好投できたのかもしれません。

長野は巨人で唯一ゴールデングラブ賞を受賞しましたね。
しかも2年連続。
阿部にも受賞してもらいたかったのですが。


僕はシーズン当初、長野が1番というのがあまりしっくりきませんでした。
昨シーズンのイメージがあったからです。


しかし彼はしっかりと適応してくれました。

安打数が目立ちがちですが、今年の彼はボールをじっくり見てフォアボールで出塁する機会が増えました。


そこから得点に結びつく事が多かったですね。


何かのテレビで村田や阿部が、長野が出塁すると得点が入りそうな空気になると言ってました。


坂本もそうですが、長野は若き巨人の主力選手として今シーズン大きく成長したと思います。


やっぱり一番好きな選手です。


日本シリーズが終わり、なんだか腑抜けた毎日を送っている気がします。


あのドキドキは3月下旬までお預けですね。

長いな〜。


その前にWBCがありますけどね。

投稿: ダイゾー | 2012年11月 8日 (木) 23時46分

このシリーズのポイント、流れ、記事にある内容そのものだと同感です。
終わってみれば選手層の違いや組織力で相手を完全に上回っていた事を感じます。
選手層が厚いが故に3、4戦では失敗もありましたが、上手く修正が出来ましたね。
組織力ではチームを戦う体制に持って行くのが上手い監督と、頭脳の面でフォローできる戦略コーチとが適材適所で噛み合っていたのではないでしょうか。
一方、ハムは監督と投手コーチが上手くいっていないことが発覚したりと、内部に問題があったようですね。
チームが一体となり、厚い選手層が競争意識を生み、ファンが素晴らしい雰囲気を作り、全員で勝ち取った日本一だったと改めて実感できます。

投稿: あおっち | 2012年11月 9日 (金) 01時45分

水戸のノブチンさん
エース・リードオフマン・助っ人野手、全て巨人が上回っておりました。長野は入って三年でチームの中心となりました。新しいチームを牽引して欲しいものです。

ダイゾーさん
長野一番がここまで当たるとは思いませんでした。打率.301、出塁率.382、IsoD0.08は合格点です。彼が出ることで「行ける」という雰囲気になります。いずれ中軸になるかと存じますが、来年の一番も決まったように思えます。日本シリーズでは一番の出来が結果に大きく影響しましたね。

あおっちさん
選手層の厚さゆえの選択ミス、確かに一因になったとも考えられますね。
まさにチームを一つに出来る監督と、全員をフォロー出来る戦略コーチがうまくかみ合いました。だからこそ戦える選手が多かったのでしょう。
ハムは何が起きているのか謎ですね。ああいう話はあまり聞かなかっただけに。
今年はホームでたくさんいい思いをしてきました。見ていて楽しいからお客さんも集まり、動員で盛り返したことも納得です。
ファンのエネルギーって素晴らしいと思いました。石井コール、西村コール、山口コールは忘れられません。

投稿: Taka | 2012年11月 9日 (金) 19時59分

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