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2012年12月 2日 (日)

15 澤村拓一

ジェットコースターのような一年だった。
交流戦最初の試合となるソフトバンク戦までは、制球に苦しみながらも右の柱としてしっかり仕事が出来ていた。甲子園で127球投げて7回を0に抑えた時には一つ乗り越えたのではないかとすら思えた。
しかし、おかしくなり始めたのは10連勝で迎えた千葉マリンでの試合から。そこから交流戦は4連敗。交流戦7敗のうち澤村だけで半分以上負けたこととなった。変化球が思うようにコントロール出来ないから四球を連発。たまに入っても甘くなって捕らえられるという悪い流れだった。
あまりの球数の多さに阿部からは「300球でも受けてやるよ。好きに投げろ!」と突き放さた。坂本がヒーローインタビューでこういうコメントを残していた。「小山がすごくいいテンポで投げてくれていたので、すごくいいリズムで打席に入れました」本人は嫌味で言っているわけがないのだが、これは澤村の時はテンポが悪いから野手も乗ってこないんだよな、と感じさせるには十分のものだった。
たまに白星はつくものの、阪神やナゴヤドームの中日相手と得意なところ限定となり、他チームからも稼げずにいた。そんな苦しい状況で交通事故を起こした。私はもう今シーズンは休ませたほうがいいだろう、そう思っていた。
しかしここから彼は蘇った。杉内の離脱というチーム事情があったのだろうが、監督は再び彼を先発に戻した。DeNA戦で勝って二桁勝利を達成し自らの借金を0にした。そして崖っぷちで迎えたCS4戦目、それまで逃げ腰だった投手とは違い果敢に攻めた。ヒーローインタビューで雄叫びをあげるくらいの出来でチームは息を吹き返した。そしてCSを制覇。彼がいなかったらここで敗れていたかもしれない。チャンスをものにした澤村は日本シリーズで二番手として登場した。八回をゼロに抑えて武田勝との投げ合いに勝った。六戦目は最後にスリーランを打たれたもののゲームは作っていた。その後援護があり勝つことが出来てチームは日本一となった。そしてアジアシリーズも制覇、さらにWBC代表にも選ばれた。

終わってみれば素晴らしいシーズンとなった。日本一のペナントを持って歩いたということはチームの中心と認められた証だろう。日本一に導いてくれた点は本当に感謝している。しかしながら、ここで満足してはいけない。ルーキーイヤーから二年連続二桁勝利も立派な記録だが、貯金を作れていない。普段のフィールディングや、阿部から叩かれた時のようなチョンボもあり、投球以外のところで物足りなさはある。真のエースとなるために、こういった課題を克服する必要がある。力があることはポストシーズンで証明できた。あとは継続することだろう。

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2012総括 投手編」カテゴリの記事

コメント

僕も残りは完全に戦力外だと思いました。ポストシーズンのこの活躍、驚きました。
阿部慎之助に頭をたたかれたときに、ライトスタンドの近くにいた人に「今、頭たたきましたよね?」と思わず聞いてしまいました。

投稿: 上野 | 2012年12月 2日 (日) 15時40分

上野さん
失った信頼をポストシーズンで完全に取り戻しましたね。今後のプロ生活における一つのきっかけになったような気がします。
あれだけ堂々と叩かれたのはノムさんに叩かれた荒井コーチを思い出します。

投稿: Taka | 2012年12月 2日 (日) 22時33分

澤村拓一………【2年目】・初年度から連続2桁勝利は堀内氏以来の快挙ですが、堀内氏とは比較出来無い内容ですね。あの時代とはあらゆる面で、違いが有り一概に、比較すべきでは無いでしょうが、大きな違いが二つ有ると思います。
先ず一つは、記事で書かれた通り、貯金の問題ですね。因みに堀内氏は初年度(16-2)・2年目(12-2)と段違いの高卒の投手でした。(持ち球はストレートとカーブ)

球速はあの時代、スピードガンが無く比較出来無いですが、私は大分昔の事ゆえ正確には言えませんが、堀内氏に凱歌が上がる気がします(根拠はありません)飽くまでも当時のイメージですが?

もう一つは、ボールの違いでしょうか?昔のボールは、かなり飛ぶボールの様な気がします。野球の全ての技術に卓越していた堀内投手ですが、生涯HR21本は、並の投手のHRでは無くやはり飛ぶボールの力?とも言えるでしょう。その時代でのあの成績は、圧巻と言えるでしょうね
現状はどうでしょうか?統一ボールに変わって飛びが、今一で苦労をしている打者が多いの時代なのに敗けが多い澤村は……?今シーズンの全般的…制球に苦労したしたシーズンでした。
然し乍記事に有りましたが、失墜した信頼をポストシーズンに入り何かつかんだ様な気がします。あの球速と変化球の制度が上がり記事の通り投球術ばかりでは無くあらゆる面での成長を克服して正に陳腐な諺ですが「鬼に金棒」の投手…そう言う素地がある投手、近い将来エースとして君臨して貰いたいです。、

あの巨人の一時期を支えた江川氏も堀内氏同様ストレートとカーブでエースとして君臨しました。是非とも真のエースを目指して精進する事を願って止みません‼

投稿: 水戸のノブチン | 2012年12月 4日 (火) 23時54分

水戸のノブチンさん
比較すべきではない、ということを長く書かれている気もしますが…^^;
ホリさんの方がすごかった、ということですよね。
私は彼なりに頑張ってもらえばと思います。

投稿: Taka | 2012年12月 5日 (水) 13時42分

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