2012年 第1位 野球を見られる幸せ
この試合は意外なことに先日見た週刊ジャイアンツでファンが選ぶ試合に確かランクインしていなかった。10位までの順番は色々迷ったりしたものの、ベストゲームだけは真っ先に決まっていた。それがこの試合。
直接対決に連敗して、この試合も負けたら4ゲーム差に迫られるだけでなく、相手に勢いを与えかねなかった。そんな状況でエースが登板して三失点。「これはまずいな」と思っていたが、四回裏に大逆転劇を見ることとなった。一点差に迫ってなおもワンアウト満塁というところで藤村が打席に。初球のストレートを振り抜いた打球は右中間を真っ二つに破る走者一掃のタイムリースリーベースとなった。これで勢いに乗った打線は、慎之助のアーチ、松本・藤村のタイムリーで追加点を手にした。5年連続60試合登板を達成した山口が抑えチームは逃げ切りに成功した。
相手の勢いを止める大きな勝利、今年を象徴する橙魂ユニフォームでの勝利、若い選手の躍動、といった内容でベストゲームの価値は十分あった。ただ、その価値をより高めたのは福島のファンの声援だった。ナイスゲームだったこともあり、最初から最後まで野球を楽しめていたように映った。一年半前に起きた出来事の影響が今もなお残っていることは想像に難くない。地震への恐怖および日々のストレスも当然あるだろう。そんな中でスタジアムに足を運んだのは理由があると思っている。人によって様々だとは思うが、駆けつけた巨人ファンの方々は皆満足出来たのではないか。日々の苦しいことを忘れ、明日からの英気を養えた、ということも考えられる。また、中には、一丸となって逆転した姿に勇気づけられた方もいるかもしれない。そして、好きな選手を目の前で見られる幸せを「有難い」と感じられた方もいるだろう。理由は様々だ。しかしそこには間違いなく大きな熱気が存在した。人の心を熱くさせる野球の素晴らしさを感じられた。
2012年ももう少しで終わりを迎え、次の年がやって来る。来年もまた一喜一憂出来ることを願いたい。当日掲載出来なかった写真を添えて今年の締めとしたい(当記事の返信は年明けにでも)。今年もご愛読有難うございます。
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