阪神（東京）◯2x-1 新成

まさに新成

エース同士の対決は監督同士が残念なことをやっちゃう変な試合でもあった。八裏の亀井代打は信じられんわ。由伸が頼りになるのは分かってるよ。ただ、藤浪のボールなら打席重ねて見てきた選手をそのまま使って欲しかった。昨日の亀井が見せた当たりを覚えているならなおのことね。打てなくても後に呉昇桓が出て来たところで由伸を出せるのだから。相手は相手で福留敬遠を誘発するスモール仕掛けたり、捕手を下げたにもかかわらず藤浪を続投させたり、両外国人と江越を下げて延長したら福留だけ気をつければよい布陣にしてくれたり。捕手替えたら投手も替えなきゃダメ。藤浪に何ら非はない。

取れそうで取れなかった嫌な流れながらも、智之が良く耐えた。福留だけには苦しんだが、1失点完投で勝ち投手になれた。今日栄冠を手にした後輩に対し大きな背中を見せられたのではないか。
その智之をリードして自ら先制のタイムリーを放ったのは小林だった。今日捕手として文句のない働きを見せた彼が、まだ二年目の選手ということを忘れてはならない。優秀な投手でも受け手によって壊れかねないのは今年よく分かった。だからこそ、二年目でここまで出来るのは本当にすごいこと。
そして試合を決めたのは若き新キャプテン。先日の中日戦同様にここ一番で強い打球を飛ばせた。後輩バッテリーとともにお立ち台に上がったが、彼の立ち位置は変わったのだと実感する。引っ張られる選手から引っ張る選手になったということ。
この三人が並んだことで、チームのスローガンである新成を実感出来た。彼らの躍動、これを見たかったんだ。
もう一人お立ち台に呼ばれてもおかしくない活躍を見せたのは立岡だろう。4度出塁とリードオフとして満足出来る働きだった。九回に彼が繋いだことでサヨナラの可能性は高まったと言って良い。あそこでスモールさせなかったことに立岡に対する評価の高さを実感出来る。彼も新成の象徴だ。

新成に相応しい選手が活躍してのスイープ達成。これで流れに乗りたいところだが、まだまだ分からない。五年前もこの時期に阪神相手にスイープ、さらに中日相手に勝ち越して行けると思っていた。その翌日に野間口の乱が起こるまでは…。そう、何が起きるか分からないから浮かれることはない。それは当然選手も理解している。このスイープは、首位の重圧を高めたという意味では大きい。ここからはプレッシャーとの戦いとなる。モチベーションは上がってきた。

最近パフォーマンスが流行っているけれど見たいかと言われたらそんな気はしない。否定する気もないけれど。それよりも本当に見たいのは、サヨナラの時誰よりも先に駆け寄るチョーさんのように選手が心から嬉しそうにする姿かな。やっぱり一番に行くんだなあと笑顔になれるシーンだった。

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